首都圏の2025年度中学入試の出願が始まっています。最新の傾向や、2月に入ると連日続く入試を乗り切るカギとなるのは――。首都圏模試センターとサピックスの担当者に聞きました。

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私立中学の入試に臨む受験生のカバンには合格を祈願するお守りがついていた=2024年2月1日午前7時34分、東京都練馬区、柴田悠貴撮影

首都圏模試センター 北一成・教育研究所長

 模試の受験状況に基づく予測では、首都圏の私立・国立中の受験者数は約5万2300人。東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県の受験率は、過去2番目の18.10%に上るとみており、厳しい入試が続くでしょう。

 志望状況をみると、中堅校人気が続いています。特に、今年4月に開校した埼玉県の開智所沢の増加が顕著です。

 東京では、23区内の学校が目立ちます。男子校では日本学園や足立学園、女子校では十文字、跡見学園、富士見丘、共学校では芝国際、日本工業大学駒場、桜丘、駒込、淑徳巣鴨などで増加が目立ちます。神奈川では日本大学藤沢、千葉では芝浦工業大学柏、埼玉では武南が増えています。

 女子校は、コロナを経て伝統校の人気が上がりました。伝統の上にあぐらをかくのではなく、将来のキャリア形成やICT(情報通信技術)活用などの分野で年々変化を見せていて、人気につながっているようです。SNSを駆使して日常の様子を受験生や保護者に届け、親近感を抱かせることにも成功しています。

 メンタルケアのノウハウもしっかりしている上に、世界情勢が不安定ななか、平和を願うというバックボーンがあるキリスト教系や仏教系の学校のよさが見直されている流れも続いています。

 男子校は、以前は保護者から…

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