栃木県那須町の河川敷で4月16日、会社役員夫妻の焼損した遺体が見つかった事件で、仲介役の男(25)が事件発覚翌日に出頭する約30分前、指示役の男(28)と会っていたことが捜査関係者への取材で分かった。仲介役の男はその際に「指示役に自分のスマホを渡した」と供述。警視庁と栃木県警の捜査本部は、容疑者グループが証拠隠滅を図ったとみている。
捜査本部は1日、いずれも実行役で住居、職業不詳で韓国籍の姜光紀(カングァンギ)(20)と、住居、職業不詳の若山耀人(きらと)(20)の両容疑者を死体損壊容疑で逮捕し、発表した。逮捕容疑は4月16日未明から朝までの間に、会社役員の宝島龍太郎さん(55)と妻幸子さん(56)=東京都千代田区=の遺体に火を付け、損壊したというもの。認否を明らかにしていない。
捜査本部は4月29日に指示役の佐々木光容疑者を、21日に仲介役の建設業の平山綾拳(りょうけん)容疑者を同容疑で逮捕。逮捕者は4人になり、捜査本部は別にいる首謀者が事件を依頼したとみている。
路上の接触、数分間
平山容疑者は17日午前6時半ごろ、東京都品川区のJR五反田駅前交番に出頭した。捜査関係者によると、この約30分前に路上で平山、佐々木両容疑者が会っている様子が駅周辺の防犯カメラに映っていた。2人が接触した時間は数分間ほどだったという。
平山容疑者は出頭時にスマートフォンを持っておらず、出頭直前に佐々木容疑者に「出せと言われて、渡した」と説明。「出頭しろと言われた」とも話しているという。スマホは事件での連絡に使っていた。
「カン、キラトと呼んでいた」
佐々木容疑者は28日午後…