収穫された「水晶文旦」=2024年10月2日午前9時48分、高知県土佐市北地、亀岡龍太撮影

 甘酸っぱい冬場の味覚として知られるブンタンの収穫が、高知県内で最大産地の土佐市で始まった。ハウスで早めに育つ「水晶文旦」で、生産者が一つずつ丁寧に摘み取った淡緑色の果実は贈答用として県内や関東、関西方面に出荷される。

 約20年前にUターンで実家を継いだ中平吉彦さん(50)の約20アールのハウスでは、長径14センチ前後、重さ500~600グラムの果実が木に鈴なり。黒い袋をかぶせ、育ててきた。「今夏は暑さ対策に苦労したが、水分をしっかり与えてジューシーに仕上がった」と中平さん。

 水晶文旦は果汁が豊富で、上品な甘さで知られる。収穫が、11月以降に始まり生産量が多い「土佐文旦」より早い。県農協の担当者は「ブンタンの出荷は水晶文旦が皮切り。今年は小玉傾向だが、中身は十分」と話す。

 県の統計ではブンタンの2023年産の生産量は県内1万1437トン(土佐市5563トン)で、このうち水晶文旦が170トン(同84トン)。(亀岡龍太)

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