約2週間、発酵させたカカオ豆。乳白色の果肉が発酵して消え、豆そのものの色になる=2024年12月5日、ガーナ東部州、今泉奏撮影

 冬のチョコレート商戦に異変が起きている。高級チョコレート菓子「ゴディバ」は、今季のバレンタイン向けの商品を昨年比で約1割値上げ。明治は「きのこの山」「たけのこの里」の内容量を約1割減らす。背景には、原料となるカカオ価格が高騰がある。

  • チョコ商戦にも影響 「カカオショック」の震源ガーナ、金高騰も逆風

 世界市場のカカオ豆の価格は、過去1年半で約5倍に高騰している。世界シェアの大半を占めるガーナやコートジボワールでは、天候不良や金の違法採掘の拡大による土壌汚染などの影響で、カカオの生産が大幅に減少。「カカオショック」とも呼ばれている。

 日本でも、各メーカーは価格転嫁をせざるをえなくなっている。

 「ゴディバ」のバレンタイン向けの商品「フォーチュンショコラ アソートメント(6粒)」は今季、3078円で発売されている。2024年シーズンから270円の値上げで、23年と比べると500円近く値上がりしている。

 明治は24年6月と10月に、「きのこの山」や「たけのこの里」などのチョコレート菓子を2度にわたり値上げ。25年1月17日には、両商品の内容量を約1割減らして販売すると発表した。

 ロッテも、24年8月と11月に「コアラのマーチ」や「パイの実」「チョコパイ」などの主力商品を2度値上げしている。手作りチョコの材料となる板チョコも軒並み値上げされた。

 産地での急激な生産回復は見込めず、今後も甘くないチョコレート商戦が続きそうだ。

共有
Exit mobile version