部長職で定年退職後に再任用された愛知県大口町税務課主査の男性(64)が勤務時間中、課内の電話を使って選挙運動をしていた。この問題は、元上司が部下になった後の職場の「意識改革」の難しさを浮き彫りにした。周辺を取材すると、「暴走」はこれにとどまらなかった。
男性は2020年3月に部長職を退職。翌月から再任用で税務吏員になった。選挙の種別に関係なく選挙運動が全面禁止される「特定公務員」だが、今年4月の扶桑町議選で、同町に住む大口町職員らに特定候補への投票を呼びかけていたという。
男性は5月、県警から公職選挙法違反の疑いで書類送検された後、依願退職した。
関係者によると、男性は昨年4月の犬山市議選でも、庁内で特定候補のパンフレットを配っていたという。
「誰がチクッたのか」声上げた男性
庁内からは「誰も注意できなかった」との声が漏れる。男性の父親は元大口町議で、町長の選挙対策本部長でもあった。また、男性は町役場の野球部に長年所属し、主将や監督の経験もあった。課の電話でメンバーと日程調整などをしていた。
関係者によると、育児休暇を…