1日午前の東京外国為替市場で対ドル円相場は円安に振れ、1ドル=157円台後半で推移している。前日の米ニューヨーク市場で、米国の物価高(インフレ)の強さにつながる経済指標が発表され、米長期金利が上昇した。金利の高いドルを買い、円を売る動きが広がるとともに株価は下落。東京市場もこの流れを引き継いでいる。
円相場は先月29日に160円台まで急落した後に154円台まで急騰し、その後は156円台を中心に推移していた。ただ、30日に米労働省が発表した賃金や福利厚生など従業員を雇う際のコストを示す指数が、市場の予想を上回った。中央銀行の米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測が後退し、長期金利が上昇。日米の金利差が意識され、円を売る動きが進んだ。
ニューヨーク株式市場では、金利が高止まりすることで景気が悪化するとの懸念が強まり、主要株価指数がそろって下落。主要企業でつくるダウ工業株平均は3営業日ぶりに反落し、前日比570.17ドル安い3万7815.92ドル。今年最大の下げ幅となった。
5月1日午前の東京株式市場もこの流れが続き、日経平均株価は一時300円超値下がりし、ハイテク株を中心に幅広い銘柄で売りが広がった。(山本恭介、ニューヨーク=真海喬生)