34年ぶりに1ドル=160円台まで円安が進み、直後に154円台まで急騰――。円相場が乱高下した前日から一夜明けた30日、東京外国為替市場は小幅な値動きとなった。市場では、政府・日本銀行が為替介入の実施を明かさない「覆面介入」に踏み切ったとの見方が広がり、警戒感から様子見が続いた。止まらない円安進行に一定の歯止めがかかった形だが、さらなる波乱材料は米国にある。
連休明け30日午後5時の対ドル円相場は、前週末より15銭円安ドル高の1ドル=156円85~87銭。東京市場が休場の中で、5円超も振れた前日のアジア市場での取引とは一変した。
政府による円買いドル売りの為替介入はあったのか。岸田文雄首相は30日朝、報道陣の取材に対し、「為替相場の動向、それから為替介入については、その有無も含めて、コメントは差し控える」と述べるにとどめた。財務省の神田真人財務官も介入の有無には言及を避けつつ、過度な円安については「国民生活に悪影響を与える。しっかりと対応していかなきゃいけない」とも強調した。
専門家「覆面介入に一定の効果」
ニッセイ基礎研究所の上野剛…