記録的な円安相場が続く事態に、企業経営者から懸念の声が上がっている。輸出が強みの日本企業にとって円安は従来「追い風」と考えられてきた。だが、産業の変化もあって、そうも言い切れなくなっている。行き過ぎた円安が消費を冷やすとの心配も出ている。
海外で利益の7割を稼ぐ三菱商事。2024年3月期の純利益は、最高益だった前年に次ぐ9640億円だった。豪州の原料炭事業の不振もあったが、円安が収益を700億円押し上げた。
だが、2日の決算会見で中西勝也社長は円安進行は「よろしくない」と言い切った。海外での企業買収が多い同社では、「円安はボディーブローのようにきく。買収額が上がり、投資を慎重にさせてしまう。為替は安定していただかないと」と述べた。
「国力そのものが危険にさらされる」
海外で稼いだ収益を決算のた…