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兵庫県議会の百条委員会で証人尋問に臨む斎藤元彦知事=2024年9月6日午後3時、神戸市中央区、代表撮影
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 2024年、兵庫県は斎藤元彦知事らの内部告発問題に揺れた。告発内容を調べる県議会の調査特別委員会(百条委員会)が51年ぶりに設置され、県議会として初めて知事の不信任決議を可決するなど異例づくしだった。

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「七つの疑惑」

 告発文書はA4判4ページにわたって斎藤知事らに関する七つの疑惑が書かれており、三つ折りにして封筒に入れられ、朝日新聞にも届いた。文書の日付は3月12日だった。

 知事による職員へのパワハラ▽知事による企業からのコーヒーメーカーなどの贈答品受け取り▽昨秋のプロ野球優勝パレードの協賛金集めで金融機関に補助金をキックバックさせた――。

 こうした疑惑の数々が、関係しているとされる県職員や企業の名前と共に記されていた。

 斎藤知事は、知人から入手した文書をもとに片山安孝前副知事ら側近に「しっかり調査するように」と指示した。そして「告発者は元西播磨県民局長」とあたりを付け、片山前副知事が25日に聴取して公用パソコンを回収。

 県は元県民局長の3月末付の退職人事を取り消した上で、斎藤知事は27日の定例記者会見で文書の内容を「うそ八百」、元県民局長を「公務員として失格」と批判した。

 元県民局長は4月4日、県の公益通報窓口にもほぼ同じ内容の通報をした。

 その後、文書で指摘された県内企業からのコーヒーメーカーの受領について、知事視察に同行した県産業労働部長が受け取っていたことが判明した。

 だが、県は人事課による内部調査で「文書の核心部分が真実ではない」と結論付けた。パソコンの不正利用など四つの非違行為があったとして5月7日に元県民局長を停職3カ月の懲戒処分にした。

 しかし、県議会が動いた。

 「疑惑を向けられた知事の下…

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