若い世代を中心にネットでできる性格診断が流行している。いくつかの質問に答えると16類型に分けた性格から自分に当てはまるものを教えてくれる。SNSで幅広い情報を発信し、性格診断について言及することもあるお笑い芸人の九月さん(32)は「冗談半分だった性格診断が本格志向になり、少し危うい」と話す。私たちは性格診断とどう付き合っていけばいいのか、九月さんに聞いた。
本格志向の性格診断に感じる危うさ
――これまで性格診断をしたり、友だちと話題にしたりしたことはありますか。
「あります。僕の世代は血液型性格診断が流行していました。盛り上がるけれど、その頃は冗談半分だとわかった上でやっていたところがあります」
「例えばO型はおおざっぱとか、AB型は天才肌とか、そんなわけないじゃないですか。天才肌の血液型があるのに、凡人の血液型がないのはおかしい。性格が四つだけなんてこともありえないわけで。科学っぽく見えない部分に娯楽としての一線が引かれていたと思います。これを100%信じなくてもいいんだよという、優しさがあったんだと思います」
――信じていなかったわけですね。
「実は、僕は自分の血液型を知らないんです。ちゃんと調べる機会がなくて。だから、友だちに『おまえはこの血液型だろう』と言われたら、毎回『うん』と答えていました。すると、『やっぱりAだよな、神経質だしな』とか『Bに決まってると思ってた。自己中だもん』とか『Oだよな。お前より適当なやつは見たことがない』とか『絶対ABだよね、意味不明なやつだから』とか、証拠となる人間性を指摘されるわけです。血液型による性格診断が当てにならないことは、よくよくわかりました。全血液型の悪口を受け止めることにはなったのですが」
――近年流行しているネット上の性格診断についてはどう見ていますか。
「血液型性格診断のように『当たっていたら楽しい』という少し距離のあるものから、本格的に見えるものに変わったと思います。内向型か外向型かとか、思考型か感情型かなど、それらしい指標で性格を分類している。質問をもとに結果を導いているわけですから、当たったと感じるのは当然です。冗談半分で楽しむ人だけでなく、本当に信じる人も出てきました。少し危うさを感じます」
――どんな危うさですか。
「人の性格を一定の型に押し…