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町中心部のゲートボール場から自宅に帰るために郵便集配車に乗り込むお年寄り=2024年10月1日午後0時45分、北海道上士幌町
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 タクシーの少ない農村部で、郵便局の集配車を高齢者らの足として活用する「公共ライドシェア」の実証運行が北海道上士幌町で始まった。自治体が自家用車などを活用して有償で旅客輸送を行う「公共ライドシェア」で、集配車を使うのは全国初という。

 実験初日の1日、大西フミさん(90)が集配車の助手席に乗り込んだ。町中心部のゲートボール場から、約5・3キロ離れた自宅までの帰路に利用すると話す。

 土日祝日以外は毎日ゲートボール場に来る。普段は町の福祉バスを利用するが、バスの運行日は週3回。他の曜日は家族が送り迎えをしてくれているという

 大西さんは「家族も酪農で忙しい時がある。郵便局の車に乗せてもらえるのはありがたいし、気持ちも楽。ずっとやってもらいたい」と継続を望む。

 「交通空白地」解消を目指した、国土交通省の今年度の「公創・MasS実証プロジェクト」の一環。町が日本郵便に業務委託し、10月1日~11月29日、町中心部から東に約3~12キロ離れた居辺地区の8世帯の高齢者を対象に実施している。事業費は約120万円。

 利用者は1週間前までに、福…

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