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「心さん」とのLINEでのチャット例=岡山大の長谷井教授提供
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 AI(人工知能)が入院患者の相談相手となり、不安や悩みを軽減するシステムを岡山大が開発した。LINEを使って、休日や夜間も含め24時間やりとりができ、患者のメンタルケアに役立つ効果が期待されている。

 システムは、岡山大学術研究院医歯薬学域の長谷井嬢教授(整形外科)らのチームが開発した。子どもの利用も念頭に、同大学病院小児医療センターの協力も得て、使い方などを検討。事前に公認心理師にも挙動確認を繰り返してもらった。

 がんで入院する患者などは、身体的な苦痛に加え、将来への不安や悩みといった様々な心理的なストレスがあるという。夜間に急に不安に襲われることもあるといい、こうした場面で「人工知能を活用できる部分がある」と長谷井教授は考えた。

 LINEで相談相手となるAIとして、小中学生向けの「心(こころ)さん」と、高校生以上を対象にした「葵(あおい)さん」という二つの人格を用意した。心さんは距離が近い友達感覚で会話ができ、葵さんは丁寧な言葉で応対してくれる。

患者「夜は不安が強くなって」

 例えば「葵さん」とのやりとりはこうだ。

 患者「夜は不安が強くなって…

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