合意文書に署名し交換する岸田文雄首相(右)と日本維新の会の馬場伸幸代表=2024年5月31日午前11時12分、国会内、岩下毅撮影
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 国会最終盤で日本維新の会のちぐはぐな対応が続いている。衆院で自民党の政治資金規正法改正案に賛成したものの、党首会談での合意がほごにされたとして執行部への不満が出ているほか、看板政策の大阪都構想をめぐる党幹部の温度差が表出。党内統治のもろさが露呈している。

維新・馬場氏「うそつき内閣」「最大限の力で攻撃」

 維新の馬場伸幸代表は13日の会見で「今国会でやらないならうそつきということ。自民との付き合いは考えていく必要がある」と、自民への怒りをぶちまけた。維新が目指す調査研究広報滞在費(旧文通費)の改革の見通しが、立たなくなっているためだ。

 馬場氏は5月31日、岸田文雄首相(党総裁)との党首会談で、旧文通費改革について「使途公開と残金返納を義務づける立法措置を講ずること」と盛り込んだ合意文書を交わした。馬場氏は自分たちの要求を「100%丸のみ」させたと胸を張り、維新は自民の規正法改正案の賛成に転じた。

 だが、改正案が衆院を通過し、参院審議に移ると自民の動きはとたんに鈍くなる。浜田靖一国会対策委員長は6月11日、「日程的に見ると厳しい」と発言。旧文通費改革の今国会中の実現に、消極的な姿勢を示した。

 これに維新が猛反発した。馬場氏は同日、「うそつき内閣」「最大限の力を使って攻撃する」と批判。東徹参院議員は12日の参院政治改革特別委員会で「(規正法改正案への賛成と旧文通費の改革は)パッケージでやってきた。このままでは賛成できない」と言い切った。

国民民主幹部「『うそつかれた』なんてあとから言ってもダメ」

 自民への攻勢に転じた維新だが、党外の受け止めは冷ややかだ。

 自民幹部は「党首がサインま…

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