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大田垣さんが描いた「子どもオアシス光月荘」のロゴマーク=大田垣光月さん提供
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 家庭で居場所を失い、「子どもシェルター」に保護された女子高校生が成長し、15~20歳の女性を保護する施設の開設をめざしている。「自分と同じ思いをする子どもを救いたい」。当事者目線で安心できる場所を作り、寄り添いたい。

「このままでは死んでしまう」

 千葉市の大田垣光月(おおたがきこうげつ)さん(23)は中学時代から、父親に未明まで「だめ人間」などと厳しくしかられた。睡眠時間が減っても、母親は守ってくれなかったという。「過呼吸になり、死んでしまいそうな感覚に陥った」

 高校入学後に教員が異変に気づき、児童相談所に保護された。数カ月後に自宅に戻った後も家族は変わらず、在籍していた進学校に通えなくなった。うつ病で休学し、通信制高校に転校すると、髪を洗う気力がなくなり、カミソリで髪をそった。「生きることへの執着が日に日に薄れていった」

 高校3年の冬、児童相談所に…

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