「太陽の戦士」(ローズマリ・サトクリフ作)や「真夜中のパーティー」(フィリパ・ピアス作)など、数多くの児童文学作品を翻訳した、児童文学研究者で翻訳家の猪熊葉子(いのくま・ようこ)さんが11月19日、心不全で死去した。96歳だった。葬儀は家族で営んだ。喪主は長男太郎さん。
千葉市出身。聖心女子大大学院を修了。英オックスフォード大に留学し、「指輪物語」の作者J.R.R.トールキンに師事した。
帰国後は聖心女子大と白百合女子大で教壇に立った。数多くの児童文学作品の翻訳を手がけながら、後進の翻訳家の育成にも取り組んだ。
国際児童図書評議会(IBBY)副会長、日本国際児童図書評議会(JBBY)会長を務めた。著書に「児童文学最終講義」「大人に贈る子どもの文学」など。母は歌人の故・葛原妙子さん。