東京23区内の路上生活者の人数
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 ゴジラ、浮世絵、海の生き物たち――。日が暮れると、都庁の第一本庁舎には連日5回、カラフルな映像が映し出される。都が、関連予算を含めて2年間で約48億円を投じるプロジェクションマッピングだ。2月に始まり、これまでに10作品が上映された。

 華やかな光と音で彩られる庁舎の足元では、毎週土曜日、認定NPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」が行う食料品配布に多くの人が列をなす。6月上旬、700人以上が並ぶ列にいた男性(45)は「そんなの自分には関係ない」とつぶやいた。

 介護系の仕事をしていた男性は2年前の夏、うつ病が再発し、退職した。外に出られない状態が続いたが、親とは音信不通で、頼れる人はいない。ようやく体調が上向いてきた1年半ほど前から、都内各地の食料品配布に並ぶようになった。

トマトを手に「ありがたい」

 20代のころは製造業の派遣…

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