走行する路面電車内で開かれた学生プロレス。マチョ・ギャローズさんが企画した=2023年2月18日、愛知県豊橋市、戸村登撮影

 覆面レスラーが先生になって帰ってくる。昨年、愛知県豊橋市の路面電車内で「プロレス」を開いたマチョ・ギャローズさん(24)=リングネーム=が、今度は路面電車での「特別出張授業」を開く。愛知大学を昨年卒業し、中学校教諭となっての企画。学生時代を過ごした豊橋で出会った個性豊かな人たちに触れ、多様な生き方を知って欲しいという。

 マチョさんは安城市出身。愛知大豊橋キャンパスでの学生時代にプロレス同好会を立ち上げ、卒業間近の2023年2月、関東や九州の学生レスラーを招き、路面電車プロレスを開いた。現在は愛知県内の中学校で教師をしながら、無給のプロレスラーとしてこれまで10試合ほどリングに立ったという。

 教師となって1年8カ月。子どもたちの笑顔や、成長する姿を見るだけで「教員になってよかった」と思う一方、学生プロレスの「最後のリング」に選んだ路面電車で、もう一度何かやりたいという思いに駆られた。

 勤務する学校長から、本名や学校名、素顔を明かさない条件で、イベント開催の許可を得た。

 イベントは22日で、「路面電車×幸せのススメ」がテーマ。豊橋電鉄市内線の駅前―赤岩口を約1時間半で往復する。マチョさんの友人や知人で、イラストレーターや大学生らが登壇する。愛知大の後輩レスラーによるプロレスも披露する。定員は30人。乗車料金は無料だが、事前にSNSを通じて乗車の申し込みが必要=QRコード。

 駅前プロレスや市電プロレスの開催に、豊橋市の多くの市民から支援を受けてきたマチョさんは「学生時代の恩返しをしたい。若い力で豊橋を盛り上げたい」と意気込んでいる。

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