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日本犯罪社会学会の大会で、参加者からの質問に答える河井克行氏=2024年10月19日午後4時12分、京都市左京区、根本快撮影
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 「刑務所で受験できるのは簿記の試験だけなんです。その参考書と問題集は古くて、1冊ずつしかありませんでした――」。受刑生活の一幕をそう振り返ったのは、法務大臣を務めた河井克行氏(61)。妻の当選を図った選挙買収事件で、刑務所に入った。河井氏は京都で開かれた学会で、刑務所での体験を語り、受刑者が人生を立て直す難しさを訴えた。

 河井氏は法相に就任する直前の2019年参院選で、広島県内の地方議員らに現金を提供した大規模買収事件を起こした。21年に懲役3年の実刑判決を受け、栃木県内の刑務所「喜連川社会復帰促進センター」に入所。日本犯罪社会学会が京都市で10月に開いた大会で、自身の経験を講演した。

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