樹徳―前橋商 一回裏、前橋商は高橋風が生還し、3点目を奪う=高崎城南、八木正則撮影

 第76回春季関東地区高校野球大会群馬県予選(県高校野球連盟主催、朝日新聞前橋総局など後援)の準決勝が3日、高崎城南球場であった。第1試合は健大高崎が2桁得点で高崎商大付を破り、第2試合は前橋商が小刻みに得点を重ねて樹徳にコールド勝ちした。決勝は4日正午から、3位決定戦は同日午前9時半から、同球場である。決勝に進んだ2チームと3位決定戦に勝った上位3チームは18日から県内で開催される関東地区大会に出場する。

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 六回裏、健大高崎に一挙5点を奪われた。相手のスタンドが沸き立つ中、高崎商大付のスタンドでは、「よーし5点差。勝つぞ」と部員らが終始前向きに声援を送る。

 6点を追う八回表、先頭打者の神戸(かんべ)幸樹(2年)が打席に立った。「絶対に、塁に出る」。ベンチからの「強気でいけ」という声援を背に、練習で振り込んできた外角の直球に狙いを定め、思い切り振り抜いた。鋭い打球を右翼線へ放ち、二塁でガッツポーズを見せた。

 後続打者のゴロで三進すると、江原慶一朗(2年)の安打で本塁を踏み、4点目。後続もつながって4点差まで詰め寄った。チームの持ち味である後半の粘り強さで、選抜高校野球大会を制した相手に最後まで食らいついた。

 試合後、神戸は「最少失点に抑えることができず、苦しい展開になった」。それでも「(4日の)3位決定戦に向けて切り替えて、もっと粘り強く戦いたい」と明るい表情で語った。

 同校初の関東大会出場を目指す。(中沢絢乃)

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