細谷雄一・慶応大教授

 米国で、ロシアとウクライナの戦争を「1日で終わらせる」と繰り返したトランプ大統領の新政権が始動しました。一方で、ロシア軍はウクライナ東部で占領地を広げ、侵攻の手を緩める気配がありません。トランプ氏が目指す早期停戦はあり得るのでしょうか。細谷雄一慶応大学教授(国際政治学)に聞きました。

  • トランプ氏が求める停戦交渉、競うロシアとウクライナ 双方の狙いは

 ――ロシアとウクライナの停戦は可能ですか。

 ロシアもウクライナも、とりわけ兵力の消耗が著しく、2025年は大きな転換点になると思います。ただ、両国間の不信感は非常に強く、妥協点を見いだすことは極めて難しい。停戦に向けた妥協点は容易に見つからないと思います。特に、ロシアはトランプ氏側が望むような形の停戦に同調していない。合意が難しければ、戦闘は続く。消耗で戦闘継続は非常に困難ですが、それでもそれ以外の見通しがみえないのが現状です。

 ――もしウクライナが停戦交渉を拒んだら、トランプ政権は支援を引き揚げるでしょうか。

 今は米国よりも欧州全体の方…

共有
Exit mobile version