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指揮者の松本宗利音
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 「宗利音」と書いて、「しゅうりひと」と読む。世界的指揮者カール・シューリヒト(1880~1967)にちなんだ名前を持つ松本宗利音が、4月から大阪フィルハーモニー交響楽団の指揮者になる。まっすぐに音楽の道を追求する若き俊英が、故郷で新たな一歩を踏み出す。

 1月中旬。大阪市内で開かれた大阪フィルの新春コンサートに、急きょ代役として出演した。指揮する予定だった音楽監督の尾高忠明が、健康上の理由で出られなくなったためだ。

 準備期間は10日ほどしかなかったが、オーケストラと息のあった「威風堂々」などを披露。表情豊かに指揮し、楽曲が終わるたびに満面の笑みで客席を振り返った。「音楽を共有できたときの喜びは大きいので」と松本は話す。

 大阪フィルの「指揮者」は創…

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