米軍が撮影した東京大空襲の焼け跡

 1945年3月に起きた東京大空襲の被災者にインタビューした証言映像について、東京都は常時公開する方針を決めた。一晩で10万人以上の命が奪われた空襲の発生から、来月10日で80年。証言映像は四半世紀にわたって活用方法が定まらないままだったが、被害の実態を後世に伝えるため、来春ごろからいつでも見られるようにする考えだ。

 映像は都が95~99年ごろに収録。鈴木俊一知事時代に構想された「東京都平和祈念館(仮称)」で公開する想定で、330人分の証言が収録された。

 94年にまとめられた祈念館の基本計画によると、再現模型や写真による被災の解説のほか、戦時中や敗戦後の暮らし、核軍拡の歴史など、戦争と平和について幅広く伝える内容だった。しかし、日本による戦時中の加害の歴史に触れる展示案をめぐり、保守系の都議らが反発。都議会の議論は紛糾し、計画は事実上、凍結された。

すでに亡くなり、承諾とれない被災者も

 その結果、証言映像は、都の…

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