日本古来の民謡や世界の民俗音楽を取り入れた合唱曲などを手がけた、作曲家の間宮芳生(まみや・みちお)さんが11日、肺炎で死去した。95歳。通夜は17日午後6時、葬儀は18日午前11時30分から東京都目黒区下目黒3の19の1の羅漢会館で。喪主は長女えまりさん。
北海道旭川市生まれ。東京音楽学校(現東京芸大)で池内友次郎に師事した。1953年に外山雄三、林光と3人で作曲家グループ「山羊(やぎ)の会」を結成。日本各地の囃子詞(はやしことば)を素材にした「合唱のためのコンポジション第1番」で58年、毎日音楽賞を受賞した。ほかにも、アフリカや北欧の民俗音楽、前衛ジャズなど幅広いジャンルの響きからインスピレーションを得て数多くの曲を手がけた。
放送用オペラ「鳴神」(74年)は欧州のコンクール「ザルツブルクテレビオペラ賞」でグランプリになり、その後、市川團十郎の演出で舞台上演された。09年、倉橋由美子の近未来小説が原作のオペラ「ポポイ」を制作し、自らの指揮で上演した。
高畑勲監督の映画「火垂るの墓」や大河ドラマ「竜馬がゆく」など、映画やテレビドラマの音楽も数多く手がけた。
95年に開館した静岡音楽館AOIの初代芸術監督をつとめ、地方からの文化発信にも尽力した。音楽評論家としても活躍し、朝日新聞で02年11月まで約30年にわたって音楽評を執筆した。