企画展「太宰と美術のまじわり」。太宰が描いた油絵も展示されている=2024年6月14日午後4時23分、東京都三鷹市、平山亜理撮影
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 美術にも造詣が深かった作家・太宰治の横顔を紹介する企画展「太宰文学と美術のまじわり」が、東京都三鷹市で開かれている。知られざるエピソードを紹介するほか、太宰が描いた油絵も展示されている。6月19日は、太宰をしのぶ「桜桃忌」。

美術の道に進んだ兄の影響も

 太宰は絵筆を一本も持っておらず、親しい画家のアトリエを訪れては画材一式を使わせてもらい、目の前にいる人を即興で描いた。生家の津島家では、美術の道を歩んだ兄がおり、その影響も大きかったという。

「人間失格」「水仙」にも、画家が登場

 小説「人間失格」では、セザンヌやゴッホらの名前が登場。モディリアーニの肖像画を「お化けの絵」と呼び、読者の想像力をかきたてる。短編小説「水仙」では、天性の画才に恵まれながら自信を喪失した女性の末路が描かれている。

■画家の友人との友情のエピソ…

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