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「佐渡島(さど)の金山」の世界文化遺産への登録が決定した直後、各国の委員らに祝福される日本側の関係者=2024年7月27日、インドの首都ニューデリー、石原孝撮影
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 インド・ニューデリーで開かれているユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産委員会は27日、「佐渡島(さど)の金山」(新潟県佐渡市)を世界文化遺産に登録することを全会一致で決めた。日本の世界遺産の総数は、文化遺産21件、自然遺産5件の計26件になる。

 佐渡島の金山は、相川鶴子(つるし)金銀山(相川金銀山と鶴子銀山で構成)と西三川(にしみかわ)砂金山からなる。世界の鉱山で機械化が進む16~19世紀に伝統的な手工業による純度の高い金の生産システムを発展させ、17世紀には世界の主要な金生産地になったとされる。

 事前審査したユネスコの諮問機関「国際記念物遺跡会議(イコモス)」は、遺跡に関する補足説明を求める「情報照会」を勧告。委員会では日本側の対応が認められ、一転登録が決まった。

 委員国の一つである韓国が懸念を示してきた戦時中の「強制労働被害」をめぐっては、日韓の交渉の末、佐渡の施設に、朝鮮半島出身者らの過酷な労働環境を説明する展示物を設けることで合意に至った。(ニューデリー=田島知樹)

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