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 将棋の第37期竜王戦七番勝負(読売新聞社主催)の第2局が20日に福井県あわら市で前日から指し継がれ、挑戦者の佐々木勇気八段(30)が藤井聡太竜王(22)=名人・王位・王座・棋王・王将・棋聖と合わせ七冠=に103手で勝ち、シリーズ1勝1敗のタイとした。

 先手の佐々木八段が「矢倉」「相懸かり」「右玉」など複数の戦型を融合させたような奔放な序盤を展開した一局。1日目は互角のまま推移したが、2日目の封じ手開封直後から形勢が動いた。

 積極的に踏み込んだ藤井竜王の一手が思わしい戦果を得ず、先手ペースに。挑戦者は竜王の粘りに屈さず、反撃を受けても冷静に対応して自身初のタイトル戦勝利を挙げた。

 局後の佐々木八段は「1局目が研究勝負だったので2局目は違う趣向でいこうかなと思っていました。2日目の昼食休憩あたりはだいぶ形勢がいいかなと思いましたけど、粘りを与えてしまって逆転されてもおかしくないかなと思って指していました」と総括。初勝利について「もう1局指せる(第5局)のを非常にうれしく思います。第3局が近いので、しっかりしたコンディションで戦いたいです」と感想を述べた。

 藤井竜王は「(2日目に)攻め合いになって、見落としてしまってからは相当苦しくなってしまったと思っていました」と振り返り「本局は完敗だったと思いますが、第3局も近いので、しっかり立て直してまた頑張りたいと思います」と次局を見据えた。

 藤井竜王は4連覇を、佐々木八段は初のタイトル戦での竜王奪取を目指す。第3局は25、26日に京都市で指される。(北野新太)

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