大手銀行が今月、住宅ローンの固定型金利を引き上げた。ただ、契約者の7割が選ぶ変動型の基準金利は約15年間にわたって変わらず、歴史的な低水準が続く。金利では差がでないため、各行がしのぎを削るのが団体信用生命保険(団信)の充実だ。がんになった場合など特約の範囲を広げる。関係者からは「もはや団信競争」との声もあがる。
団信は住宅ローンの返済中に契約者が死亡したり、重い病気になったりした場合に、残高の返済を肩代わりしてくれる保険商品だ。住宅ローンを借りる人は、契約時に団信に入る必要がある。
「他の銀行と悩んでいて、団信も決め手になった」。5月のある日、りそな銀行の東京都内の支店で、会社員の男性(37)はこう語った。中古の戸建て住宅の購入とリフォームのため、夫婦で借りる「ペアローン」を契約。変動型金利で1億円超を35年間で返す。
金利自体は、他行の方が低か…