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千葉県市川市の女性の監禁容疑で現行犯逮捕された藤井柊容疑者=18日午前0時3分、千葉県警市川署、芹沢みなほ撮影

 千葉県市川市で男らが住宅に押し入った強盗事件で、千葉県警は住人を連れ去った監禁容疑で17日夜、住所・職業不詳の藤井柊(しゅう)容疑者(26)を現行犯逮捕し、18日発表した。同容疑者の指紋が今月、横浜市青葉区の住宅で起きた強盗殺人事件と、千葉県船橋市内で起きた強盗致傷事件の現場からも検出されていたことが捜査関係者への取材でわかった。神奈川、千葉両県警などの合同捜査本部は三つの事件で実行犯が重なっていたとみて調べている。

 市川市の事件では千葉県警が18日、横浜市内の警察署に出頭した自称同市旭区の内装工、高梨謙吾容疑者(21)を強盗致傷などの容疑で逮捕。「合っている」と容疑を認め、関東で起きている他の強盗事件への関与もほのめかしているという。

 捜査関係者によると、横浜市の事件では16日、無職後藤寛治(ひろはる)さん(75)の遺体が自宅の脱衣所で見つかった。粘着テープで口を塞がれ、手足を縛られ、硬いもので何度も殴られた痕が顔や体にあった。上半身には複数の骨折が確認され、抵抗した時に腕などにつく防御創もあり、執拗(しつよう)に暴行を受けた可能性があるという。死因は全身打撲による出血死だった。室内には複数の人物が土足で歩いた跡があり、現金約20万円が奪われていた。

 市川市の事件では、複数の男らが住宅の窓ガラスを割って侵入。住人の50代女性に暴行を加えて粘着テープで縛るなどし、女性を連れ去った。室内は荒らされ、現金が奪われていたという。女性は藤井容疑者と一緒にいたところを17日夜に保護された。

 高齢者の住む郊外の住宅に強盗目的で押し入り被害者を縛る手口が共通しており、合同捜査本部が関連を調べている。(稲葉有紗、杉江隼)

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