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診療休止を発表した吉祥寺南病院。手前の駐車場に新病院を建設する計画があった=東京都武蔵野市、塩入彩撮影

 「住みたい街」として知られる吉祥寺(東京都武蔵野市)で、救急病院の存続が危機に直面している。ここ10年ほどで閉院が相次いでおり、地元からは心配する声が上がっている。

 「まさか休止になるなんて」

 吉祥寺駅周辺に住む女性(74)は7月、駅から徒歩10分ほどの場所にある吉祥寺南病院が9月末で診療を休止すると知り、仰天した。

 女性の母(95)や夫(75)は受診中で、母は数年前に自宅で骨折し、救急搬送されたこともある。「いまでも救急の受け入れ先が見つかりにくいと聞くのに、また病院がなくなってしまうなんて。吉祥寺には高齢者も多く住んでいるのに」と懸念する。

 吉祥寺南病院を運営する啓仁会が7月、診療休止を発表した。再開の見通しは立っていない。

■「地域で入院できる病院がな…

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