労働法研究者の細川良さん

 会社からの夜の電話、休日のメール――。いつでもどこでも仕事ができる時代になり、就業時間外の業務対応を迫られることも……。そんな一方で、労働法研究者の細川良さんは、働く人には「つながらない権利」があると話します。話を聞きました。

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社会問題となったフランス

 いつどこでも業務対応できる時代になり、「サヨナラすれば仕事は終わり」ではなくなりました。フランスではプライベートの侵害や精神的・肉体的影響が問題視され、2016年に「労働者のつながらない権利」についての法律が新たに定められました。私は日本でも、この権利について議論すべきだと考えています。

 フランスでの議論のきっかけの一つは、通信技術の発達です。さらに00年代からホワイトカラーの裁量労働制が広がり、それまでの上意下達型から自律的な働き方へと変化が起こります。結果的に仕事の終わりは見えなくなり、労働者の過労やメンタル疾患が社会問題になりました。

日本でも認められている権利

 日本では当たり前の働き方で…

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