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三重県

 三重県伊賀地域で生産された「伊賀米コシヒカリ」が、日本穀物検定協会が実施した2024年産の米の味に関するランキングで「特A」の最高評価を受けた。19年産から3年連続で特Aを逃していたが、22年産からは3年連続の獲得で、通算10回目。

 評価は炊飯した白米を実際に試食して行われる。今回は全国143産地の米が評価を受け、うち39産地の米が、5段階の評価の中で特に良好な特Aだった。特Aの産地数は23年産より4減。県内では、北勢・中勢・南勢のコシヒカリが、基準米と同等のA′だった。

 一方、伊賀地域以西でコシヒカリの特Aは、兵庫県北と徳島南部だけ。品種では、高温耐性のある「きぬむすめ」「にこまる」が24年産でも目立った。

 伊賀米コシヒカリも1等米比率が高温の影響で大きく低下し、高温障害で粒が不透明になる「白未熟粒」やカメムシの被害も出た。

 伊賀米の生産者は伊賀、名張両市で計4千人ほど。官民で組織する「伊賀米振興協議会」の事務局を務める県伊賀農林事務所普及1課の奥山幸伸さんは「厳しい気候が続き、特Aが取れるか心配だったが、安心した。ただコシヒカリはだんだん作りにくくなっている」と話した。稲森稔尚市長は「誇りに思う。さらなる飛躍に向け、振興に取り組みたい」と喜んだ。

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