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映画「Black Box Diaries」の一場面=©伊藤詩織/Black Box Diaries製作委員会

 性被害を実名で訴えたジャーナリスト伊藤詩織さん監督のドキュメンタリー映画が受賞候補になっている、第97回アカデミー賞の授賞式が2日(日本時間3日午前)、米ロサンゼルスで開かれる。映画は世界的に高い評価を受ける一方、映像や音声の扱いが問題となっている日本では未公開のままで、異例の状況で発表の日を迎える。

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 伊藤さんの初監督映画「Black Box Diaries」は、アカデミー賞の長編ドキュメンタリー映画賞の五つの候補作の一つに選ばれた。昨年1月に米ユタ州で開かれたインディペンデント(独立)系の映画の祭典「サンダンス映画祭」での初上映以来、世界50以上の映画祭で上映され、18の賞を受賞するなどの評価を受けている。

 伊藤さんの作品をめぐっては、伊藤さんを支援した弁護士らが、ホテル側が証拠として裁判所に提出した防犯カメラ映像などを伊藤さんが許可なく使用したほか、弁護士らとの会話を無断で録音してその音声を映画で使ったなどとして、取材過程における倫理上の問題を指摘している。

 伊藤さんは2月20日に日本…

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