ブランドカラーのイエローで覆われたミラノの老舗百貨店

 スポーツ用品メーカー「アシックス」の独立事業として、靴やアパレルを展開する「オニツカタイガー」が75周年を迎える。近年は、欧米市場への挑戦や直営体制の強化で、売り上げの約7割を海外店舗が占めるなど、グローバル展開が好調。庄田良二・オニツカタイガーカンパニー長兼アシックス副社長は「未来に残るためには、世界で受け入れられることが大事だと取り組んできた成果だ」と語る。

 2月、伊ミラノ中心地にある老舗百貨店リナシェンテが、ブランドカラーの黄色に染まった。ファッションウィークにあわせた大規模なPR。庄田氏は「地元の人にも、世界から集まるファッション業界者にも改めて知ってもらう機会にしたかった」。7度目となるミラノのショーでは、クラシックでエレガントな新作をみせた。「突然の雷雨に見舞われた東京の景色」がテーマ。スカートに、都会のネオンを想起させるスパンコールをちりばめたり、パンツには雨にぬれたようなツヤを施したり。スポーティーなテイストが目立った過去のコレクションと違い、ラグジュアリー感を前面に出した。

 同ブランドは、1949年創業の鬼塚商会(のちのアシックス)の創業者、鬼塚喜八郎氏がバスケットシューズを開発したのが始まりだ。77年の経営統合で販売中止したが、社内外からの要望を受け2002年に復刻。スポーツブランドからファッション重視のブランドにかじを切った。経営はアシックス内で独立採算となっている。

 11年から国際戦略を担って…

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