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江藤祥平・一橋大学教授
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 政治改革をめぐる与野党論戦のテーマとなった「企業・団体献金」。結論は、来年の通常国会に持ち越しとなった。臨時国会の審議では、企業・団体献金の禁止を迫る野党に対し、石破茂首相は憲法の表現の自由を持ち出して対抗した。献金を禁止することと憲法との関係をどう考えればいいのか。一橋大学の江藤祥平教授(憲法学)に聞いた。

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 ――石破茂首相は、企業・団体献金を禁止することは、表現の自由を定めた憲法21条に「抵触する」と発言しました。その後、「違反するとまでは言わない」と答弁を翻しましたが、一連の発言をどう見ていますか。

 企業・団体献金を法律で禁じたとしても、憲法21条には抵触しない可能性が十分あります。

 確かに企業には「表現の自由」は認められています。しかし、営利目的で存在している企業の権利を、「自然人」(権利・義務の主体である個人)と同列で議論することは難しいからです。

 ――企業と個人を同一視することは問題なのでしょうか。

 「自然人」は生まれながらにして「表現の自由」を有しており、個人の献金禁止は憲法21条に明らかに抵触するでしょう。

 これに対し、企業の「表現の自由」は、私たち国民を利するか、害するかという「利益衡量」によって判断されるものです。

 それは、企業が政治資金の寄付の自由を有するとした八幡製鉄政治献金事件の最高裁判決(1970年)でも「会社に、社会通念上、期待ないし要請されるものである限り」と書かれているとおりで、自然人とは異なる制約に服していると考えるべきでしょう。

憲法にある「3つ」のカテゴリー

 ――では、企業・団体献金を禁止しても、憲法違反にはならないと考えますか。

 憲法には「禁止」「許容」「…

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