他候補を公然と応援する候補者が出たり、SNSを中心にインターネット上で大きなうねりが巻き起こったり。兵庫県知事選では、従来の選挙制度では想定していなかったような出来事が次々と起きた。公職選挙法に詳しい只野雅人・一橋大教授(憲法)に聞いた。
不公平生じさせ、大きな問題
兵庫県知事選は、公職選挙法の観点からも難しい論点が多い選挙だった。
まず、「他人の当選を目的とした立候補」について、どのように考えたらいいのか。
公選法は、ポスターの枚数や選挙カーの台数など、選挙運動の手段をかなり厳しく規制している法律だ。「一律平等に不自由な中で、公平な選挙を」という建て付けと言える。
そんな中で、ある候補が自分のリソースを他人に振り分けた場合、大きな不公平が生じる可能性がある。現行の制度では大きな問題がある行為だと思う。公選法が想定していなかった事態だ。
選挙における言論の規制しにくさ
一方で、はっきりと「公選法…