フランス国民議会(下院、定数577)の選挙戦で、ユダヤ系への差別が争点になっている。初回投票が30日に迫るなか、パリ郊外でユダヤ系少女に対する性的暴行事件が発生。右翼「国民連合(RN)」が、パレスチナへの連帯を訴える左派を批判するなど、反ユダヤ主義をめぐり社会の分断が深まっている。
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仏メディアによると、パリ郊外クルブボワで15日、12歳のユダヤ系フランス人の少女が性的暴行を受ける事件が起きた。容疑者として起訴されたのは13歳の少年2人で、ユダヤ系に対する差別的な言葉を発して少女に暴行した疑いがある。
パレスチナ自治区ガザでイスラム組織ハマスとイスラエルの軍事衝突が昨年10月に始まって以降、フランスではユダヤ系差別が社会問題になった。内務省によると、昨年起きたユダヤ系への差別的な言動や暴力行為は前年の約4倍にあたる約1700件を記録。反ユダヤ主義を背景とした未成年による今回の事件は、社会に衝撃を与えた。
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