春闘での賃上げ率の推移

 今年の春闘について、民間シンクタンクの日本経済研究センターが15日にまとめたエコノミスト35人の予測の平均は4.74%となった。物価高や人手不足を背景に高水準の賃上げは続くものの、33年ぶりの高さとなった昨年の賃上げ率(5.33%)からは鈍化するという見通しだ。

 予測の最高は5.3%、最低は3.0%で、全員が昨年の実績を下回る回答だった。賃金体系を底上げするベースアップ(ベア)の平均は3.06%で、年齢や勤続年数などに応じた定期昇給(定昇)は1.68%だった。

 企業規模別の賃上げ率の予測は調査されなかったが、大企業に比べて中小企業の賃上げが課題とされている。賃上げ率を4.5%と回答した三菱UFJリサーチ&コンサルティングの小林真一郎氏は、中小企業の価格転嫁の動きが鈍いことなどから「中小の賃上げは昨年に比べて進まないだろう」とみる。大企業についても、「昨年は久しぶりなので思い切って引き上げた企業も、マイルドな伸びになるだろう」とした。

実質賃金はマイナス基調

 名目賃金は伸びても物価上昇…

共有
Exit mobile version