東京工業大学の井村順一理事・副学長=2023年11月、東京都目黒区、山本知佳撮影

 学内に女性が極端に少ない状況を変えようと、2024年度入学者向けの入試で大胆な「女子枠」を導入して、注目を集める東京工業大。1年目の手ごたえを井村順一理事・副学長に聞きました。

 結果は期待以上でした。女子枠の志願倍率は1.9~6.9倍で、計58人の枠に56人が合格、入学してくれました。一般選抜も含めた全体で見ると、女性の「入学手続者」は前年より55人増えて164人。入学者の女性比率は昨年春の10.7%から15.3%に上がりました。

 女子枠での合格者が増えても、総合型選抜または学校推薦型選抜の(男女を問わない)「一般枠」や一般選抜で、女子合格者が例年より大幅に減って相殺されてしまえば、女子学生の割合は増えていきません。例えば「58人分の枠を設けたのに、女子学生は20人しか増えなかった」という可能性もあったのです。

 だから、女子枠以外の女性合格者が大きく減ることなく、前年より55人多かったという結果をみて、非常に良い形でランディングできたと思っています。

「学力達していなければ合格させない」

 試験前、「女子枠では学力が…

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