リニア中央新幹線は、東京・品川―名古屋間の開業時期が工事の遅れでずれ込み、2035年以降となる見通しだ。岐阜県中津川市に設置される岐阜県駅(仮称)も昨年末に工期の延長が発表され、工事が本格化するのはこれからだ。駅の完成時期としてJR東海が当初示した「2025年」を迎えるなか、地元はどんな思いでいるのか。
中津川市中心部から車で約20分、リニアの岐阜県駅が設置されるJR中央線の美乃坂本駅付近では、重機がうなりを上げ、大型車両が行き交っている。あちこちで造成工事が進んでいるが、まだ駅舎の姿はみえない。
岐阜県駅は当初の計画では、2025年3月に完成予定だったが、JR東海は昨年末、駅の工期について「31年12月まで」と発表、6年9カ月遅れることになった。
「地元の人たちは予定通りにはいかないだろうなとは思っていました」。坂本地区区長会長の梅本真人さん(69)は、そう話す。
用地取得の遅れなど、地元住…