福井県鯖江市に逸品の今川焼があると聞いた。その中身は、あんこやクリームなどではなく、マヨネーズとハムが入っているというのだ。どんな味か想像がつかないが、店を訪れた。
福井駅から福井鉄道で約40分の神明駅で降り、小さなロータリーを抜けて5分ほど歩くと、緑色の「三六(さんろく)商店」本店がある。町名の三六町から名付けられたという。そこの名物が「三六サラダ焼」(税込み160円)だ。
注文口横の看板にメニューが掲げてあり、サラダ焼は「ロースハム・カイワレ・マヨネーズがたっぷりはいって、ボリューム満点」と紹介されている。
訪れたのは土曜の日中。焼き器でつくる様子が窓越しに見える。子連れの客が楽しそうにのぞき込んでいた。次々に客が車でやってくるが、ほぼ目当てはサラダ焼だ。
「ファンなんです。鯖江に来たときはいつも買っています」。「箱買い(5個入り)」していた福井市の会社員上田真由さん(46)は、笑顔で語る。
店内は今川焼の甘い香りでいっぱいで、代表取締役の大﨑英敏さん(62)と妻の智子さん(59)が出迎えてくれた。
看板メニュー、発売当初は「なんだこれは」とも
店は30年以上前、現在の越前市にあるスーパーの軒先で英敏さんの両親が始めた。あんことカスタードクリームの今川焼で、子どもたちにも人気だったという。英敏さんも会社勤めをしながら手伝っていた。
しかし、数年後、周辺にファ…