物理学で優れた業績をあげた人に贈られる今年度の仁科記念賞に、下浦享・東京大名誉教授(67)と青木大・東北大教授(52)、村上修一・東京科学大教授(54)が選ばれた。仁科記念財団が7日発表した。
下浦氏は、中性子だけで原子核はできるのかという長年の課題に対し、四つの中性子のみで作られる集合体「テトラニュートロン状態」を実験で観測した。青木氏は、超伝導と強い磁性の共存が可能なアクチノイド化合物を発見。村上氏は、スピンホール効果やトポロジカル物質などの理論研究を先導した。
授賞式は12月5日に学士会館(東京都千代田区)で行われる。(川原千夏子)