神奈川県藤沢市に家庭裁判所の出張所の設置を求め署名を呼びかける弁護士ら=2024年3月21日
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■現場へ 家裁のリアル①

 3月下旬の夕方、神奈川県藤沢市のJR藤沢駅北口に弁護士6人が集まり、ビラを配って署名を呼びかけていた。のぼりには「私たちの街に家庭裁判所を!」。

 家裁は離婚や相続など身近なトラブルを扱う。存在は知っていても、ちょと縁遠い存在だと感じている人は多いだろう。

 近年は高齢化で、認知症の人を支える成年後見制度の利用なども増えている。

 全国の家裁が2022年に新たに受理した事件は、全体で約115万件。20年前の1.8倍に上る。

 家裁は全国に本庁が50カ所、支部が203カ所ある。裁判官が出張して調停などを扱う出張所も77カ所設けられている。

 いま藤沢市には少額訴訟などを扱う簡易裁判所はあるが、家裁は支部も出張所もない。管内の茅ケ崎市、海老名市など5市1町の住民は約120万人。家裁を利用するには、20キロ以上離れた横浜市の本庁まで行かないといけない。

 管内の人口が100万人を超えるようなエリアで出張所もないところは異例だ。

 神奈川県弁護士会は藤沢市に…

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