写真・図版
埼玉高速鉄道の浦和美園駅にほど近い順天堂大学医学部付属病院の予定地。草が生い茂っていた=2024年10月14日午後2時58分、さいたま市緑区、岩堀滋撮影

 厚生労働省は医療機関で働く人口10万人あたりの医師数を都道府県別にまとめ、2年ごとに公開している。データを確認できる1996年以降、埼玉は万年最下位だ。

 厚労省は今年1月、地域ごとの患者の流出入数や医師の勤務実態などを勘案し、より実態に迫った「医師偏在指標」の最新版を公表した。そこでも埼玉は「医師少数県」に分類されている。首都圏1都3県で最も指数が低く、東京の約半分にとどまる。

 埼玉県行田市の病院の非常勤内科医で、医療と社会の問題を研究・発信するNPO法人「医療ガバナンス研究所」の上昌広理事長は、県内の医師数の少なさについて「トップクラスの教育を受け、医師をめざす受験生はいるが、受け皿となる国公立大学の医学部がないため」とみる。

「埼玉都民」の現在地とは

東京より生活費が安く、暮らしやすい。そんなイメージから埼玉に移住し、都内に通勤・通学する「埼玉都民」は多いですが、利点ばかりではないようです。選挙を機に考えませんか。

 県西部に私立の埼玉医科大学があるが、6年間で計約3700万円と学費が高い。所沢市の防衛医科大学校も卒業後9年間の自衛官任官が義務で、拒否すると数千万円を国費に戻し入れる必要が生じ、一般的ではない。

 県内でそれほどお金をかけず…

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