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「掃除で心を磨く」「山に登って忍耐力を養う」など、いつの時代も人々は「自分磨き」に精を出してきました。「修養」の歴史を研究する大澤絢子さんは、「その努力は本当に自分のため?」と問題提起しています。話を聞きました。
売れ続けた「セルフ・ヘルプ」
近代以降、日本社会を生きる人々は「よりよい自己」のために自分を導いてくれるものを求め続けてきました。今もその欲望は続いている。その過程で得られる達成感や充実感もあるでしょうし、悪いことではありません。
しかし、誰かが語るハウツーを実践し、自分を高める努力をしても、すべての人が「よりよい自己」になれるとは限りません。努力が苦手な人、さまざまな事情で努力ができない人もいるでしょう。とくに、自分の努力が集団に取り込まれてしまう危うさには注意が必要です。
入社式で配られたもの
「自己の向上」を意味する「…