80形車両を撮るファン=2024年11月2日午前10時53分、滋賀県高島市安曇川町下古賀、菱山出撮影

 京都市と大津市を結ぶ京阪京津(けいしん)線で活躍した名車「80形」車両を一般公開する「82号まつり」が2日、滋賀県高島市安曇川町下古賀であった。大雨にもかかわらず、東京などから午前中だけで数十人のファンが訪れた。

 「80形」は1997年に引退。82号の車両は京阪が大津市内で保管していたが、NPO法人に無償譲渡された。朝日新聞の報道がきっかけで保存会ができ、再び塗装して濃淡グリーンの往年の姿がよみがえった。

 東京都内の自宅をマイカーで午前3時に出たという公務員の鈴木敏行さん(47)は「再生に至る過程をSNSで知って、すごいと思った。80形には大学時代に乗り、ヨーロッパ調のなんて素敵な電車なんだろうと。27年ぶりの再会で感慨深い」と写真に収めていた。

 兵庫県明石市の大学生、本間健悟さん(21)は、80形が高島市で見るに忍びない姿になっているのを朝日新聞の記事で知った。「現役時代は知りませんが、SNSの動画で見ていました。京都のまちが好きで、そこを走った電車を一度見てみたいと来ました。姿を見られて良かった」と感激した様子だった。

 保存会理事長の橋本光弘さん(51)は「こんなに人が集まるとは。熱烈なファンが遠くにもいるのですね」と話し、「これからも一般公開を続けたい」と意気込んだ。(菱山出)

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