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平安神宮(京都市左京区)の境内にあり、現存する「最古級」の電車として知られる京都電気鉄道の車両(京都市交通局二号電車)が19日、庭園の神苑(しんえん)から応天門西側に移された。架台に載せ、クレーンでつり上げる大がかりな引っ越しだった。
車両は、廃線後に平安神宮が京都市から譲り受けたが、老朽化が進んでいる。2020年には国の重要文化財に指定された。平安神宮は今年、創建130年を迎え、記念事業として車両の修繕と、無料区画への移設を決めていた。
車両は長さ約8・4メートル、幅約2・0メートル、高さ約3・3メートルで重さ約7トン。18日から70トンクレーンでトレーラーに積み込んだり、門を越えさせるために120トンクレーンでつり上げたりして19日未明に作業を終えた。4月から補修工事に入るという。
平安神宮は、3月31日まで第2期のクラウドファンディングで修繕や覆い屋建設の資金を募っている。