新型コロナ下で国の雇用調整助成金(雇調金)をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた水戸京成百貨店(水戸市)の元総務部長、片岡卓也被告(58)に対し、水戸地裁(村山智英裁判官)は15日、懲役3年(求刑懲役5年6カ月)の実刑判決を言い渡した。
判決などによると、片岡元総務部長は、部下らと共謀して実際には出勤していた従業員の勤務データを改ざん。2020年8月~22年8月、休業日数を水増しした虚偽の申請書を茨城労働局に提出し、雇調金計約10億7千万円をだまし取った。
被害額のうち約6億7千万円分については、同社元社長の斎藤貢被告(67)=同罪で起訴=との共謀も認定した。
量刑理由について村山裁判官は、「会社の赤字を避けるために元社長から不正を指示されるなど、被告は従属的な立場だった」と説明。一方で、「元社長の退任後も、自己保身から1年4カ月分にわたって不正を継続した。起訴内容を認めるなど酌むべき事情があるとしても限度があり、実刑は免れない」と指摘した。(原田悠自)
元社長との共謀も認める
水戸京成百貨店の片岡元総務…