トランプ米大統領は第1次政権で多国間の経済枠組みを軽視し、二国間での「ディール(取引)」を迫った。第2次政権の通商戦略に日本はどう向き合えばよいのか。経済産業省で通商政策に関わってきた東大大学院の宗像直子教授が書面インタビューに応じた。

 ――トランプ氏は通商政策をどのように進めていくとみていますか。

 「就任初日に発出した『米国第一の通商政策』にあるように、通商政策を国家安全保障の重要な要素ととらえています。不法移民と違法薬物の流入が治安に与える影響について看過しないとして関税賦課に動いたように、米国が持つ『交渉力』をフルに活用する姿勢が明確です。1期目に見られた①二国間交渉を重視する②関税などを交渉道具として使い実際の発動も辞さない③自らがメリットを感じない枠組みからの離脱をいとわない、といった特徴が2期目も顕著です」

 ――日本はどのような通商政策を進めていくべきでしょうか。

 「違法薬物の例のように通商…

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