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乳がんについて質問ができる対話型生成AIはタブレットでもスマホでも利用できる=大阪国際がんセンター、日本IBM提供

 「ホルモン剤の副作用についてお尋ねですね」

 いつでもどこでも、乳がん患者の質問に、画面上のアバターが答える対話型の説明生成AI(人工知能)が開発された。医薬基盤・健康・栄養研究所、大阪国際がんセンター、日本IBMの共同研究で、26日発表した。医療従事者の業務効率化に役立てるねらいだという。

 乳がんは、医学の進歩で治療法が複雑になっている。同センターの中山貴寛主任部長によると、患者が病気を理解し治療法を選択するために、手術前に抗がん剤を使用するか、手術の方法、乳房を再建するかなど、1時間程度かけて説明していた。忙しい医師に遠慮して、したい質問を控える患者もいる。

 そこで同センターでは2021年から、診療前に治療法を説明したビデオを患者に見てもらったうえで医師が説明する方法を導入していた。今回のAIシステムにより、さらに患者が質問をして診療内容について理解を深めたうえで、医師と話し、診療方針を選択することができるようになったという。

 大規模言語モデルを活用した…

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