来年に開館20年を迎える九州国立博物館(九博、福岡県太宰府市)は、記念事業の概要を発表した。同じく来年の朝日新聞西部本社発刊90周年などを記念した特別展「はにわ」を始め、多彩な展覧会が企画されている。
はにわ展は、1974年に埴輪(はにわ)で初めて国宝になった「埴輪 挂甲(けいこう)の武人」の国宝指定50周年も記念しての開催。来年1月21日から国宝14件、重要文化財21件を含む全国121件の個性豊かな埴輪が九博に集まり、埴輪がつくられた当時の生活や文化的背景に迫る。
20周年記念事業の目玉として特別展「九州の国宝 きゅーはくのたから」を来年7月から開く。宮地嶽古墳(同県福津市)から出土した7世紀の「金銅壺鐙(こんどうつぼあぶみ)」などの国宝やえりすぐりの名品を紹介する。
九博は2005年10月、東京、奈良、京都に続く4番目の国立博物館として開館。これまでに国内外から約1900万人が来館した。富田淳館長は「地域密着型の博物館として、九州の皆さんに愛され、必要とされる博物館を目指してきた。20周年を一つの節目として、更に邁進(まいしん)していくための新たな出発点としたい」と話す。
主な記念事業の展示は以下の通り。
「はにわ」25年1月21日~5月11日▽「煌(きら)めきの古伊万里」同4月8日~7月6日▽「九州の国宝 きゅーはくのたから」同7月5日~8月31日▽「太宰府博覧会と鎮西博物館」同10月21日~11月30日▽「平戸モノ語り」26年1月20日~3月15日▽「豊臣秀吉とアジアの外交」(仮)同1月27日~3月8日(松本江里加)